症例紹介免疫介在性多発性関節炎

  • 免疫
  • 不明熱

「どうぶつ総合内科クリニック」では、多くの飼い主様に病気のことを理解していただくために、来院されたワンちゃん・ネコちゃんの病気をホームページで解説しています。
この記事と似たような病気でお困りの方は、お気軽に当院までお問い合わせください。

このページでは、犬の「免疫介在性多発性関節炎」の症例を紹介しています。犬が「足をひきずる」「足を痛がる」などの症状がある場合に疑われる病気のひとつです。発熱を伴う場合もあります。

かかりやすい犬種
ミニチュアダックスフンド

免疫介在性多発性関節炎の治療目安

通院

病気が安定するまでは週1回もしくは2週に1回。安定後は数か月に1回。通院は数か月程度で酋長出来るケースが多い

患者さんのご紹介

犬(ミニチュアダックスフンド)、11歳
来院理由元気がない、食欲がない、跛行(足をひきずる)などの症状があるが原因不明
  • 中等度
  • 元気:中等度の低下
  • 食欲:中等度の低下

病歴

約2週間前から元気と食欲の低下に加え、跛行(足をひきずる)などの症状が出始めました。かかりつけの動物病院を受診して血液検査やレントゲン検査を行いましたが、原因がわからず当院を受診されました。

来院時の様子と診察所見

普段と比べて元気と食欲が落ちていますが、病院内で行った身体検査ではっきりわかる異常は見つかりませんでした。血液検査では炎症があると高くなるCRPという項目が高値を示していました。

ミニチュアダックスフンドでは原因不明の体調不良とCRPの上昇が存在する場合に免疫介在性多発性関節炎という病気がないかを考えなければなりません。この病気は関節に針を刺して細胞を確認(関節液検査)することにより診断します。

関節液検査

関節液検査は上の写真に示すように関節に針を刺して、関節液がどのような成分なのかを確認するための検査です。このワンちゃんの関節液は下の写真に示すような成分でした。

関節液は本来透明ですが、青丸で示すように少し濁りがあり、顕微鏡で確認すると本来関節液の中には存在しない好中球という細胞(赤丸)が多数出現していました。

この検査結果から、原因不明の体調不良の原因を「免疫介在性多発性関節炎」と診断しました。

病気の解説と治療

免疫とは本来、体内に侵入した細菌やウイルスを排除するための機能ですが、この免疫機能が自分の体を攻撃してしまうことがあります。免疫異常が複数の関節で起こった場合に、「免疫介在性多発性関節炎」という病名になります。原因として細菌感染、腫瘍、ワクチン接種など様々なことが考えられています。

治療内容と経過

診断後から免疫抑制療法を開始し、治療開始から1ヵ月後には元通りの元気な状態に回復してくれました。その後少しずつ薬を減らしていき、来院から5ヵ月経過した段階で、薬も必要なくなりました。約半年間、当院に通院していただき、治療は終了となりました。

まとめ

この病気は関節炎という病名がついていますが、実は前後肢の異常よりも、なんとなく体調が悪いとか食欲がないとか、はっきりしない体調不良が続くことが多いです。色々な検査をしても体調不良の原因がわからない場合にはこの病気が隠れているかもしれません。ご自宅のワンちゃんがこの病気かもしれないと思われた飼い主様は一度当院にご相談ください。

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