症例紹介角化異常

  • 皮膚
  • 鱗屑

「どうぶつ総合内科クリニック」では、多くの飼い主様に病気のことを理解していただくために、来院されたワンちゃん・ネコちゃんの病気をホームページで解説しています。
この記事と似たような病気でお困りの方は、お気軽に当院までお問い合わせください。

このページでは、犬の「角化異常」の症例を紹介しています。「かゆがる」「フケが多い」「皮膚が赤い」などの症状がある場合に疑われる病気のひとつです。

かかりやすい犬種
チワワ/シーズー

角化異常の治療目安

通院

治療の初期には2週に1回程度。安定してきたら月に1回程度

患者さんのご紹介

犬(チワワ)、10歳
来院理由体に重度のかゆみがあり、フケが目立つ
  • 重度
  • 元気:あり
  • 食欲:あり

病歴

5~6年前から全身にフケを伴うかゆみが出始めました。何件かの動物病院を受診して抗生剤、抗真菌薬、ステロイド剤、シャンプー療法などを受けましたが、中々状態が良くならないとのことで、当院を受診されました。

来院時の様子と診察所見

元気も食欲もありますが、5~6年前からずっと重度のかゆみがあり、診察中も体を足で掻く様子がありました。来院時には顔、胸、脇、お腹、お尻周り、しっぽなど全身に赤みとフケが目立っていました。

写真のような皮膚の見た目から「角化異常」という病気である可能性が高いと判断しました。この病気を診断するためには病理検査(皮膚の組織を顕微鏡で確認する検査)が必要になるため、局所麻酔をかけて皮膚の一部を採取しました。下の写真のような緑の器具を使って4つの黒点の真ん中から皮膚の一部を採取します。

検査結果からこのワンちゃんの病気がやはり「角化異常」であることがわかりました。症状は慢性的で、何度か治療を行っても改善していないので、少し薬の量は多くなってしまいましたが、アトピカ(飲み薬)、プレドニン(飲み薬)、コルタバンス(外用薬)、ビタミンAサプリメントの4種類を使って治療を行いました。

病気の解説と治療

皮膚では常に新しい細胞が作られており、古くなった細胞は剥がれ落ちていきます。新しい細胞が生まれ剥がれ落ちていくまでの過程をターンオーバーといいます。このターンオーバーのサイクルに異常が起こりフケが多くなったり体がベタベタしたりすることを「角化異常」といいます。角化異常が重度になると皮膚に炎症が起こりかゆみがひどくなっていきます。このため、重度の角化異常では前述したような治療が必要になります。

治療内容と経過(1ヵ月半後)

1ヵ月半が経過したくらいでかゆみはほとんどなくなりました。体のフケや赤みはまだ少し残りますが、ほとんど気にならないくらいまで改善しました。この後、薬の量を徐々に減らし、月1回の通院に切り替えました。

治療内容と経過(10か月後)

治療開始から10ヵ月の時点ではアトピカ、ビタミンAサプリメント、定期的なシャンプーのみで治療を続けています。かゆみもフケもほとんどなく、元気に過ごせています。病気の性質上、薬を完全になしにしてしまうことは難しいですが、アトピカもビタミンAサプリメントも副作用はほとんど心配がいらないお薬です。現在も月に1回の通院していただいて薬の量を調整しているところです。

まとめ

角化異常は小型犬で見かけることが多い病気です。軽度であればシャンプー療法などでかゆみを抑えることが出来ますが、重度になると専門的な治療が必要になることもある病気です。人と同じようにワンちゃんにとっても体のかゆみはとてもつらい症状です。この記事を見てフケや体のかゆみが気になる方は当院にお問い合わせください。

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