症例紹介脾臓腫瘍由来不明肉腫

  • 腫瘍
  • リンパ節転移
  • 癌(がん)

「どうぶつ総合内科クリニック」では、多くの飼い主様に病気のことを理解していただくために、来院されたワンちゃん・ネコちゃんの病気をホームページで解説しています。
この記事と似たような病気でお困りの方は、お気軽に当院までお問い合わせください。

このページでは、犬の「脾臓腫瘍由来不明肉腫」の症例を紹介しています。「元気がない」「食欲がない」「発熱」などの症状がある場合に疑われる病気のひとつです。

かかりやすい犬種
犬種を問わず高齢犬

脾臓腫瘍由来不明肉腫の治療目安

通院

このページの症例では、原因が脾臓腫瘍と確定後、即座に手術を実施。転移があったため2週間ごとに通院し抗がん剤を投与。安定後は月に1回の経過観察

患者さんのご紹介

犬(マルチーズ)、11歳
来院理由原因不明の体調不良
  • 重度
  • 元気:低下
  • 食欲:低下

病歴

1年ほど前から原因不明の体調不良があり、原因を調べるための検査を行っていましたが、はっきりとしたわからない状況が続いていました。症状はステロイドや免疫抑制剤を使うと少しマシになるようですが、これらの薬を服用していても万全の体調とはなりませんでした。

来院時の様子と診察所見

元気さと食欲が落ちており、体重も減少傾向でした。体を触ると痛がるような様子がありました。

超音波検査

超音波検査を行ったところ、脾臓にできものが見つかりました。

脾臓のできものが体調不良の原因となっている可能性もありますが、脾臓には良性のできものが見つかることも多く、発見した段階ではこれが体調不良や体の痛みの原因と断定することは出来ません。このため、脾臓以外に問題がないことを確認したうえで、外科手術を行いました。

手術の実施

手術により脾臓のできものが確認され、また脾臓の近くにあるリンパ節も大きくなっていることが確認されました。このため、脾臓のできものは悪性(わかりやすく言うと癌)であり、転移している可能性がありました。病理の検査を行うと、肉腫という悪性腫瘍であり、リンパ節にも転移があることがわかりました。

治療内容と経過

手術後症状は劇的に改善し、健康な時と同じような状態まで回復することが出来ました。しかしながら、転移が見つかっているため手術後に抗がん剤による治療も行いました。この病気は非常に重篤で手術や抗がん剤を行っても2ヵ月ほど再発してしまうことがほとんどですが、このワンちゃんは手術から半年たった今も再発の徴候はありません。幸い抗がん剤の副作用もほとんど出ずに治療を乗り切ってくれました。現在も飲み薬を飲みながら月に1回の通院をしてもらっていますが元気に過ごしてくれています。

病気の解説

脾臓のできものは、高齢になると比較的見つかることが多い病気です。「できもの=がん」ではなく、良性であることも多いため、手術が必要であるかの判断はとても難しいです。このため、当院では脾臓にできものが見つかった場合、定期的な検査を行って、拡大傾向がある、貧血が進行する、超音波検査から悪性が疑われる、などの所見から手術を行うかどうかを判断しています。

まとめ

お腹の中の腫瘍は外からではわからないため、体調不良がある場合にはお腹の中に異常がないかを超音波で確認することは非常に大切です。脾臓のできものの治療をどうするか迷ったり、原因不明の体調不良が続いているような場合は、一度どうぶつ総合内科クリニックにご相談ください。

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